福山競馬場「タマツバキ記念」観戦記

福山競馬場1999年10月10日開催

前段

よく見ている園田・姫路競馬のホームページ「あらぶのめっか」のBBSで「タマツバキ記念」の話題が出始める。
そして、ホームページの管理人の前田くんが観戦ツアーを企画してくれた。
他の競馬場に行ったことなく、以前から他場を訪問してみたかった私としてはなじみのある園田の馬が出走することもあり、観戦に行くことにした。
場所等が不案内だったが、観戦ツアーに付いていくこととなった。
ホームページからの参加者は前田くん、日浦くん、ユーノすけくん、Hくんと私の5人である。
この夏から園田競馬の掲示板に登場し始めたHくんはオフ会でも会ったことがなかった、同じ市内在住なので、事前に連絡。
JR尼崎駅で待ち合わせし、一緒に行くこととした。

待ち合わせたのは女の子

10月10日当日は朝6時に起床。何でこんなに早く起きないかんねんと自問自答したながら、待ち合わせのJR尼崎駅へ。
駅の改札で待ち合わせのHくんを探す。
……と、いたいた、前田くん推薦のJR西日本1日乗り放題券を持ってるあいつやな。ということで声をかける。
「Hさん?」、「はじめましてHです。」
………女の子やないか!?
過去の書き込みの内容からてっきり男だと思い込んでいた私は驚いてしまい、暫時沈黙の後、ようやく
「Hさんって、女性だったんですねえ。」の一言。
「わかりませんでした?」と言われるが、地方競馬の掲示板に「阪神最下位決定でやけ酒や。」などと書き込みしていたのが女性だとは誰も思わない。
驚いたままの状態で6時53分発姫路行の快速電車に乗り込む。

車中満員のため立ったまま雑談を始めると、Hちゃん、しゃべるしゃべる。
「競馬に行き出したのは…」
「いついつの有馬記念では…」
と初対面から、過去の競馬暦を披露。
日常生活の話になると、いつも乗っている阪神電車内で競艇帰りのおっさんとけんかしかけたことなどもご披露し、外見とのギャップに驚くことしきり。
しかし、話しているうちに、それほど言葉づかいも悪くないことに気づき、単純に話を楽しむようになってきた。
「ほんまに面白い娘や。」

日浦くん、前田くん登場

ここで、須磨駅から「ここにいたんですか。」と日浦くんが電車に乗り込んできた。
日浦くんはメールで本人とやりとりしてHちゃんが女性であることを知っていたため、驚くこともなく対面を済まし、3人で雑談開始。
またまた、Hちゃんのおしゃべりを聞いているうちに、姫路駅に到着。
既に乗るべき福山行きのチボリ号が入線しており、一斉に乗客がダッシュで乗り換えに走る。
混乱の中、待ち合わせをしていた前田くんを見つけようやく合流。彼の確保していた座席に着席する。
Hちゃんが飲み物を買いにいっている間に、前田くんに尋ねるとやはり「私の連れは誰?」と思ったらしい。
チボリ号というものの、ただの古い新快速の車両。それでも写真を撮っている人がいるので、写真撮ってる人がいるわと笑っていたら、前田くんが「僕も撮りました。」の一言。失礼しました。

いかにも鉄ちゃんらしい集団を乗せて、チボリ号は8時28分に姫路駅を発進し、一路福山へ。
長くなるので福山行車中省略。

福山競馬場到着

チボリ号は定刻どおり福山駅に到着。ご存知のとおり、駅のすぐ北側に立派な天守閣をもつ福山城が立っており、城郭ファンの私としては後ろ髪を引かれながらも、以前にも福山競馬場に行ったことのある前田くんの案内とおり、駅南側の競馬場行き無料バス乗り場へ。
おんぼろバスは一旦南に下る遠回りコースで競馬場へ。

さあ着いた。ここが福山競馬場か。と感慨にふけることもなく、コイン式入場ゲートから入場。
福山競馬場は開設50周年ということでイベントまっさかり。いろんなゲストも来ることになっている。調教師によるレースなんかもあるらしい。
入場門で渡されたのは、記念品や大井・園田バスツアーの抽選くじ。ここで園田行きが当たったらどうするんや、と思っていると、記念トランプが見事的中。
まもなく、先着していたユーノすけくんと合流。500円の特別席を確保してくれていた。
カメラマニアのユーノすけくんによると場内で写真をとるには許可証が必要とのこと。
前田くんと警備本部に行って、申し込みをする。
警備のおっちゃんの会話。
「今日はカメラ多いなあ。」
「ゲストで岡本夏生来てるからなあ。」
……誰が尼崎からそんなん撮りにくるか。

スタンドに行くと、その岡本夏生の声がする。1回目のイベントである。まだレース前なので客も少なく、ちょっと気の毒。
その岡本夏生、ここは福井か福岡かといやみをいいながら、イベントを始めるが、歌謡ショーとは名ばかりの物真似ショー。思いっきり下手な歌を聴かせてくれた。
我々は特別席へ。最近できた施設だけあって非常に中はきれいで、これで500円とはいい買い物である。
11時に他の地方競馬ファンと顔合わせをするべく、待ち合わせ場所の専門紙売店前へ。
来ていたのは四国から来ていたともろうくんであった。

あいさつだけ済まして彼とは一旦別れて、園田組で行動。売店で専門紙を買うが、ここは「キンキ」、「エース」など3紙販売。別々に買おうとすると、Hちゃん曰く、
「新聞なんか拾ろたらええやん。」
我々も段々慣れてきて、
「1R前から誰が捨てるんや。」
「捨ててある新聞はソースがついてるで。」
「何でこの新聞赤鉛筆で印がはいってるんや。」
などと話しているうちに、いよいよレースが始まる時間となった。

さあレース

福山のパドックはスタンド裏にあり、非常に小さい。出走表はもちろん手書きである。ここに1R出走馬が登場。3歳馬とはいえ、随分チャカついてるなあ、大体回るのが早すぎるで、と思っているうちに馬はコースの方へ。
1Rは様子見と思っていたが、他のみんなが買っているので、私は馬連の1番人気1点だけを買っておいた。
コースの方にでると、思ったより広いコースである。河川敷にあり、周囲に何もないため広く感じるのだろうか。園田と同様に立派な大型映像器もある。
そして、レース開始。さあ行け、と応援していると1番人気で決着。見事的中で、幸先がいい。

転落の一途

2Rから特別席に戻り、ゆっくりと競馬観戦。Hちゃんは景気づけと言って、おつまみ、ビールで一杯やり始めた。
この後はほぼいつもどおりの競馬観戦。
福山は枠連単があるが、思ったほど売れていない。やはりフルゲートでも10頭と出走数が少ないせいか。また、馬券は中央、園田と違い薄い紙である。ただし、単賞で買うと、中央なみに馬名が入っている。園田競馬敗れたり。
肝心の馬券は1Rに当たったきり、はずれまくり。馬連は得意の1、3着ばかりである。

アラブファン合流

番組も進み、場内も人込みで混雑してきた。
一般席端はネットで知り合った地方競馬・アラブファンのたまり場と化していった。我々も特別席を出て、合流し、あいさつを済ます。
やはり面白かったのはHちゃんで、男と思っていたと言われる度に、段々機嫌が悪くなっていく。

午後のレースへ

皆と一旦別れて腹ごしらえのために、スタンド裏食堂へ。競馬場ガイド本にも載っていた行列のできる店のやきそば300円をビールと一緒に買い込み、昼飯に。安い割になかなかいける味であった。何よりちゃんと具が入っていたのがいい。
岡本夏生の2回目のイベントを挟みながらレースは進んでいく。
私の馬券はあいかわらずであった。
そして、今日のメイン、タマツバキ記念である。

タマツバキ記念

園田からのエイランボーイ、ケイエスヨシゼンを含めて西日本各地から集まったアラブによる重賞レース、それがタマツバキ記念である。
園田の三冠馬ケイエスヨシゼンの生のレースを見たことがない私としてはこの馬の応援のためにわざわざ福山に来たようなものである。
タマツバキ記念には毎年出場しているが、成績が年々下がっているだけにケイエスヨシゼンにとって最後の遠征になるかもしれない。
パドックに向かい最前列からカメラで園田の2頭を中心に写真を撮りながら、各馬を見る。
ケイエスヨシゼンは毎度のことらしいがトボトボ歩きやる気を見せない。最近好調のエイランボーイも首を下げたままで心なしか元気がない。
他には地元のモンゴルムーンがえらくあばれている。そして、騎手の騎乗開始。園田の両馬に乗るのは、もちろん小牧太、岩田である。
我々もコースの方に向かい返し馬を見る。そしてレース。

 ……結果は、エイランボーイが全く他を寄せつけず圧勝。
モンゴルムーンが先行、これを追ったエイランボーイは3コーナーで楽々先頭に立ち、後は独走。
途中崩れかけたが、ケイエスヨシゼンも2着で、園田の馬の強いところを見せてくれた。
私としては、大満足。馬券も的中したが、枠連単でたったの200円、全く儲からなかった。
しばらくの後、表彰式。我々は表彰式場前に陣取り、小牧太騎手の勇姿に拍手を贈った。
日浦くん、Hちゃんは退場する小牧騎手に握手をしてもらいミーハーなところを見せていた。
ここで、実質観戦が終わり、地方競馬ファン集団が集まってくる。中には、以前に関西に住んでいた上賀茂雷電さんも子どもを連れて参加していた。

残念だったオフ会

レースが終了し、オフ会に参加を表明している連中がかたまったままぞろぞろと場外へ。
我々園田組はオフ会の幹事であるともろうくんの運転する車に乗せてもらい移動。途中、宴会不参加の方を降ろして、福山駅前へ。
宴会場に着いたのは6時前。別働隊が参加するのが遅れてしまい、とりあえず我々だけで宴会を始めるが、時間の都合で7時過ぎには帰らなければならず、別働隊がようやく来たものの、早々に中座せざるをえなかったのは残念だった。

尼崎へ

このまま再び在来線で帰ると尼崎に着くのは11時過ぎということで、私とHちゃんは新幹線で帰ることとなった。
前田くん、日浦くん、ユーノすけくんが福山駅から在来線で帰るのを見送って、おみやげを買って新幹線へ。
ここで初めてHちゃんが家では競馬禁止ということで今日はチボリ公園に行っていることになっているのを聞けたのは傑作だったが、さすがの元気娘も疲れた、というより早起きがたたって眠かったようで、帰りは静かだった。

後日談

翌11日は園田競馬場ではスターにしきのあきらを招いての開設記念開催。
という訳で行かねばなるまいとばかり昼から園田競馬に向かうと、人の波。最近では滅多と見られない光景である。
そんな中で、やはり来てるよ、ネットの園田集団。ということで、日浦くん、前田くんと出会った。「そのだや」では山ちゃん、浦さん、姫園くんとも合流し、みんな元気やなあというオチまでついてしまった。