名古屋競馬場「第80回名古屋杯」観戦記

名古屋競馬場 2001年5月5日開催


はじめに

名古屋競馬場、通称「土古競馬場」と言われるこの競馬場は、地方競馬に関心を持ち出した頃から 一度は訪問したいと思っていた競馬場である。
中京競馬場が何処にあるか知らない頃からでも名古屋競馬場が名古屋の下町にあるのを知っており、 なんとなく親近感を覚えていたためである。
園田・姫路競馬からマッキーダグラスとフジヤマデュラブが統一グレードレースのかきつばた記念に出走を予定していたため、 今年のゴールデウイークには笠松競馬場とともに訪問することを決めていたが、両馬ともあっさりと回避してしまった。 このため、代わって名古屋杯に行くことにした。
歴史の浅い統一グレードレースより、伝統のアラブの重賞を見てみようと思ったのに他ならない。


名古屋競馬場へ

名古屋へは仕事で何度か行っているが、近鉄アーバンライナーに乗車。
金券ショップで3000円ほどで事前に購入。 予約状況が i-mode からでもわかる便利な世の中、この日は連休中で8時以降の列車がほぼ一杯だったので、 近鉄難波7時発の列車に乗る。
近鉄大阪線は母親の実家がある名張へ行く時に何度も乗っているためなじみがある路線である。
奈良、三重の緑の山の中を走り一路名古屋へ。
車内快適であるものの、知っている人はいるかと思うが、はっきり言って遅い。 途中で眠っているうちの名古屋到着であった。

名古屋駅には9時過ぎに到着。知らぬ間に名古屋駅には高層ビルがそびえ立っている。 ビル内のスターバックスで時間潰してから、駅南の名鉄バスセンターへ。 都心にこういう建物があるのは関西では見慣れないが、自動車の発達した名古屋圏ならではだろうか。
名鉄バスセンター4階から各地の公営ギャンブル場行きの無料バスが出ており、地元のおっちゃん連中と 共に名古屋競馬場行きバスに乗り込む。バスは観光バス車両で快適、快適。
10時10分発のはずが、もうええやろという配車係りのおっちゃんの掛け声で、少しばかり早くスタート。 車内満員という訳でもないし、ええんかいな。
バスは倉庫ばっかりの港湾地域を南にまっしぐら、20分強で競馬場に到着。 何故か競馬場のバスターミナルではなく、競馬場前の道路で降ろされる。


名古屋競馬場の場内

名古屋競馬場は名古屋市南部の比較的にぎやかなところにある。 笠松競馬場に行ったばかりの身には余計に都会にある立派な競馬場という印象。 道路沿いには開催日案内板があり、外からもスタンド等がそびえ立っている感じ。 地元園田競馬場にはこういう感覚はない。開催日案内板が正面入り口横に申し訳程度にあるだけだからなあ。
笠松同様コイン投入式の入場口を入ると広場で、正面に新旧バラバラのスタンド。
向かって真正面が指定席のあるスタンドだが、まだ指定席に空きがあるようなので、指定席を取りに行く。 スタンド2階が500円席、4階が1000円席で、迷わず1000円席へ。
料金を払うとハンドスタンプを押してもらって、自分で席を選べるようになっている。
座席の方に向かうが、このスタンドはゴールからは遠いため、できるだけゴール板に近いところに陣取る。 座席からコースの方を見るとさすがに全体がよく見える。
コースは例によって小回りだが、幅員が結構あり、広く感じる。 大型映像装置のある内馬場はきれいな公園風になっており、自分のいる席もあいまって、地方競馬を感じさせない。
指定席エリア内にはおしぼり、無料自動販売機の飲み物サービス、専用食堂もあり、なかなか快適。 いまだに座ったことがないが、園田競馬場との落差を感じる。何で園田競馬場の指定席はあんなに高いのだろうか?

そうこうするうちに1Rへ。
スタンドからパドックは全く見えないので大型映像装置だより。 しかし、これが、アニメのパドック紹介から始まり、馬体重やオッズ等が表示されるすぐれもの。
1Rのアラブには園田からの移籍馬もおり、この馬から買うが、はずれてしまい幸先悪し。

2Rということで、今度は指定席を出て、場内をうろつく。
本部案内所で何かないかと見ると、2001 RACING BOOKという小冊子が。名古屋競馬の案内パンフである。
しっかり確保するが、4月に発行されたばかりだというのに、ハロン転載の全国地方競馬場アクセスガイドからしっかり中津が消えていたのには驚く。
さて、パドックだが、ここは、縦長で3方から観客が取り巻く形で、余り周囲に段差もなく、非常に見づらい。 全体に立派な施設であるが、出馬表はやっぱり手書き看板である。
そうそう、この2Rには宮下瞳騎手が騎乗ということで初めて間近で見る(当たり前か)。
次にコースの方に出ると、結構広いコース前。なぜが外ラチ沿いにベンチがある。 コース前から見るスタンド全体は相当立派に見える。 まだ、11時過ぎなので連休中といっても場内ガラガラである。

このまま2、3Rと馬券の方をパスして場内巡りに徹底。
最後に指定席エリアの食堂で昼飯を食べるが、まずかったのにはガックリ。 後で場内に日本一うまいと言われる鰻丼があったことを思い出し後悔。

さて、レースの方はここまで8枠が全て連に絡むというかっての園田並みの展開。 そのため、8枠と予想紙の印で買うと、そこそこ当たる。なかなか良い感じである。
空いていた場内も徐々に混みはじめた昼過ぎ、再びコース前に降りる。 当たりを見渡すと、実家から来たというユーノすけさん、3号馬さん達とも出会う。


名古屋杯

統一ダートグレードレースの群馬記念の場外発売があり、1時間おいてこの日のメインの名古屋杯。
園田に遠征して来るのが名古屋所属馬ばかりで、東海勢はサラが笠松なら、アラブは名古屋というのは 他地区の競馬に疎い私でも知っている。
しかし、この日は名古屋杯連覇中で名古屋アラブの代表格ブラウンダンディに、昨年から上昇中のマリンレオが休養中、 かわりに注目されたのが笠松のクラボクモンである。
ユーノすけさんが言っていたが、名前がちょっと見で「ボンクラモン」に思えるところが情けないが、 名古屋杯トライアルでサラ並みの上がり時計をマークし、予想紙でもグリグリの印という馬である。

さて、パドックであるが、深いブリンカー着用のクラボクモンは小柄ながら姿勢が良くいい感じ。
他は、地元名古屋のドリームボールに笠松のケイエスマジックが気合の乗った感じでグイグイと進む。 笠松のマルカシードがクラボクモンと100キロ以上違い、同じアラブと思えない立派な馬体。 以上よく見ると予想紙の印のままの好印象で、先入観で馬を見てるんかいなという、あいかわらずの見る目のなさ。
馬券の方は、この印象と騎手買いでアンカツのクラボクモン、アンミツのマルカシードの1点買い。
なお、パドックから本馬場入場と宮下瞳騎手の乗ったラッキーメッセージの写真ばかり撮るというミーハー振りを発揮。

レースの方は、アンミツの乗ったマルカシード、ケイエスマジックが先行、このまま最終4コーナーまで進み、 途中まで中団を進んだクラボクモン、ドリームボールが直線で並び、クラボクモンが最後に一気に抜き去り、後は手綱をゆるめて ゴールという余裕の勝利を収める。随分と強い勝ち方だなあというレース展開だった。
なお、2着は混戦のなかマルカシードで、馬券的中。おかげでトータル大負けにならずに済んだ。

レース後の口取り、表彰式を見るべくウイナーズサークルに向かうが、ここの競馬場なんだか変なのが、 専属カメラマンと思しきおっさんがうるさく注文をつけながら写真を撮っている。
このカメラマン氏、レース中はゴール板の前で我々観客の前に堂々と立ちはだかり、邪魔なことこのうえなかった・・・


帰路

名古屋杯のレース前に一緒になったユーノすけさん、3号馬さん、元アラブファンの辻本さん、ディープさんと、 顔なじみの方々と競馬場を後にする。
私の持っている競馬場ガイド本「競馬場へ行こう!」には行きのことは書いてあるが、帰りのことは書いていない。 どうするんかいなと思っていたら、JR金山駅、名鉄神宮前駅行きの無料バスがでており、すし詰めの状態で金山駅まで運ばれる。 行きとえらい違いである。
金山駅で時間調整をした後、ほんの少し前に乗ったばかりの米原行き快速に乗って帰路につく。
1週間のうちに東海の2つの競馬場到達という、画期的な遠征週間であった。