募集馬の出資者決定方法の変更について

◆突然の変更

今年から、ラフィアンでは募集馬の出資者決定方法が変更されることになった。
募集馬が満口となった場合、従来は補償資格所有者・ツアー参加者を優先する抽選方法だったのが、今年からは、出資馬代金・一般会費・ツアー参加費の実績額で優先順番を決めて出資者を決定する方法になったのである。

事前に各種会員ホームページで話題になっていたが、会報3月号で方法変更が発表された。
これに対して私は怒り心頭。
というのも、この方法では、私のような入会3年でまだ6頭しか出資していない実績のない新参者は満口になる人気馬には出資できない、と同じことであるからだ。
社台のような優先枠がないのでラフィアンに入会したのに、しかも、その社台でも一部とはいえ抽選枠があるのに、今更完全実績優先に変更されてもなあというのが正直なところ。

昨年は多くの補償資格所有者がいたため、マイネオリーブ以下9頭も応募倍率が2倍以上となり、補償だけで満口になった馬が発生した模様。
また、このところのマイネル・コスモ軍団の活躍で新規入会希望者が殺到しているようなので、今年は高倍率化に拍車がかかることも充分に予想できる。
継続的に出資してきた古参会員の不満が高まり、これを受けて今回の方法変更に至った背景は誰にでもわかる。

しかし、今回の出資者決定方法の変更は、「ラフィアンは古参会員を重視します。」と宣言したのと同じである。
会員から出資を募って競馬業を運営する私企業である以上、上得意様を重視する方針は充分理解できる。
しかし、あまりにも極端な古参会員重視の出資者決定方法は、私のような新参会員にはかなり受け入れがたいとしか言いようがない。

◆変更の理由は…

一旦決まった方法が変更される訳でもないが、私は早速クラブ事務所に「自分は入会3年目で出資額も少ないので、これじゃあ人気馬が買えないじゃないか」という趣旨の苦情メールを送った。また、次のような要望を伝えた。

1. 全て過去の経費実績額優先ではなく、例え10口でもいいので抽選枠を設けてほしい。
2.個人の経費実績額が幾らで会員全体の何番目に位置しているかその年の募集前に明示してほしい。
3.募集の際に満口となった馬にはその時点での最低実績ラインを明示してほしい。もちろん最終的な最低実績ラインも明示してほしい。

これに対して回答がすぐにあったのは流石だが、おそらく定型の回答であろう。

回答は以下の通り。

これまでの抽選方法では、「人気なら申し込んでみようか」と抽選になる人気馬になんとなく申し込む方や、抽選で外れることを見込んで余分にお申込みになる方も多く、むやみに抽選倍率が上がる傾向がありました。
ちなみに2003年度第1次募集の場合、抽選となったのは65頭中13頭でした。
出資実績の優先度が高い方が人気馬に申し込まれるとは限りません。(むしろ、古くからの会員様は抽選終了後にゆっくり検討される方が多い傾向にあります。)

今年の場合、募集開始時期にあらかじめ各会員様に出資実績(ポイント)をお伝えし、お申込み受付期間中には随時、各馬の出資可能なポイント数の下限を発表する予定です。
出資可能な馬がある程度わかるため、その中から本当に欲しい馬にだけ申込みをすればよいことになります。
落選を見込んだ出資申込みが減ることにより、人気集中が防げると考えました。

たしかにご入会したての会員様には不利という考え方もあり、申し訳ありません。
ただ、これまでと違い早い段階で次の希望馬を検討できるというメリットは大きいと思われますので、どうかご了承ください。

ということで、メリットは出資できるかどうか事前にわかるので出資計画が立てやすい、ということだが、新しい会員が不利じゃないかということには全く説明になっていない。

“出資実績の優先度が高い方が人気馬に申し込まれるとは限りません”としているが、従来は実績者は新しい会員と同じ条件で応募していたからで、無抽選で何頭、何口でも出資できるなら、実績者だけで人気馬が満口になってしまうとは思わないのだろうか。

改めて感想を言うと、商売なので仕方ないが、お得意様優先を表明したと受け止めている。
入会前に新方法になっていれば、これから頑張って出資するぞ、とは思わずに他のクラブに入ったのは間違いないだろう。

◆募集開始

出資者決定方法が変更されて3か月、今年の募集馬カタログが送付されてきた。
このうち何頭かは出資できないことは確実なので、楽しみの一つである出資馬選びも自ずから面白みが激減。

募集馬カタログも届いたので、クラブ事務所に電話で自分のポイント・順位を尋ねたところ、1,059点で会員約5,100人中2,863番とのこと。
実のところ、もっと低い順位かと思っていたが、全体の真ん中より少し下くらい。
事前に有名サイトの小倉選馬会管理人氏が約800万円出資で261位というのを聞いて実績者のレベルの高さに目まいをしていたが、どうやら、長期会員で多数頭出資のとんでもない大口出資者は1割程度の少数で、あとは幅広く存在するという会員分布か。

そして、ここ数年程度の会員で、毎年1頭前後の出資で出資実績は100万円以下というのが、最も多い会員層ではないかと思う。
私は昨年少々頑張ったので、4年目にして下位多数層から中団層に入っていた模様。
予想外の中位ランクということだが、それでも100口満口馬への出資は無理だろう。

◆申し込み状況公開

ラフィアン公式サイトで出資馬の申し込み状況がアップされた。
募集が始まったばかりなので、もちろん満口馬はいないが、1番人気のマイネプリテンダーは81口といきなりの高人気。
今後は、満口に達した時点でボーダーラインが公表される訳だが、最終的に1番人気はどこまでいくのかに注目。

昨年は前期募集終了時点で満口となった募集馬は13頭、うち2倍以上の倍率が8頭いたのだが、今年は、抽選ではなく実績優先となるので、出資できるかどうか事前にわかることから、駄目元覚悟の申し込みは激減し、異常な高人気馬はなくなる一方で、間違いなく出資ができるならと人気が分散し、結果的に満口馬の数は増えるのではないかと思っている。

満口馬は15頭前後かと思っているが、20頭超えてしまい、最低ポイントも1,000点を超えるようなら、全体の半分近くの会員の不満が大爆発となってしまうことが想像できる。
また、人気上位馬の最低ポイントが2〜3,000点になるとそんな高いレートなら今後会員を続けても無理だと不満が噴出するかもしれない。

◆申し込み結果

ラフィアン公式サイトで最終申し込み状況が発表された。
満口馬は20頭、既会員による満口は17頭で最低出資ラインは約70万円。
概ね予想通りの結果だったが、人気上位3頭の出資ラインは何と一千万円以上と驚くべき高額となった。

今回の応募方法は極めて単純な実績優先で不明朗さがなく明快なので、一定は評価できる。
また、年に1〜2頭しか出資できない大多数の会員は従来の抽選制度では抽選漏れ覚悟で応募した馬が下手に当たった場合、困ったことになるのだが、今回の方法では駄目な馬は事前にわかるので出資計画が立てやすいのが大きな利点。

しかし、実績者が幅を利かせて大多数の零細会員が応募馬の選択幅が小さくなるというのが最大の不満点。
結果的に走る走らないは別にして、募集馬の多くが応募できないのでは出資馬選びという楽しみが奪われてしまう。

応募結果を見ると、会員の半数以上は最低ライン100万円以上の上位14頭には出資できない。
これを多くの会員はどう思うのだろうか。

なお、上位3頭の最低ラインが一千万円とは想像以上。
普通のサラリーマンではありえない高額実績者が如何に多くいたかということだろう。

この上位3頭への集中を含めて応募方法が再検討されることを期待したいものである。
個人的には抽選枠を10口でも設けてもらえば充分満足であるのだが。

*最終2004年7月12日記